亡き母を偲ぶ想いから生まれた「母の日」…。そんな記念日の由来に心を合わせるかのように、最近、ゴールデンウィークから母の日にかけての好季節に、亡くなられたお母さんの墓前を訪ねる『母の日参り』の習慣が広がりを見せています。
この慈しみの芽を大切に育てていこうと今、業界の垣根を越えた有志企業・団体がパートナーシップを深めあい、それぞれが応援活動に取り組んでいます。
その連帯のシンボルとなるのが、デザイナー・奥下和彦さんの手による『母の日参り』のロゴマーク。
さらに奥下氏ならではの“1本の赤い糸”が紡ぎだすアニメーション動画。映像にこめられた『母の日
参り』メッセージ、ぜひシェアしてください。
奥下 和彦(おくした かずひこ)
「母の日」と聞くと最初に思い起こされるのは、子供のころ母に花などのプレゼントをした思い出でしょうか。肩たたき券をあげたり、普段はまったくしなかった皿洗いをしました。母はとても喜んでくれていたように思います。
「母の日」の由来をたどると、約100年前のアメリカで亡き母を想う一人の女性が、母の好きだった一輪の花を捧げる「感謝の集い」を催したことにはじまるのだそうです。そのエピソードを「母の日参り」のロゴ・デザインのモチーフとしました。アイキャッチとして「母」の文字の中にハートを配置し、カリグラフィーを軸に、一本の赤い糸で視認性と暖かみを大切にしながら全体を構成したつもりです。
そのロゴデザインから1年を経て、「母の日参り」の動画を制作させていただける幸運に恵まれました。多くの方にご賛同いただけると想うのですが、母を想う気持ちは亡くなった後も生前と変わりがないはずです。機会があれば何度でも愛情を注いでくれた事にお礼がしたい、そんな気持ちを分かり易く 贈り物、というキーワードで表現してみました。家族の愛はいつでも双方向だ、ということをお伝え出来たとすれば幸甚です。
ムービーは短い時間ですが、ご覧になった方がご家族との懐かしい想い出を振り返るきっかけとなり、多くの関係者の方々が取り組んでおられる「母の日参り」に少しでも共感していただけることを願っています。
映像作家 奥下和彦